自分の足となる大事な「バイク」
通勤や通学、ツーリングの途中で故障すると大変なことになってしまったりします。
オートバイは沢山の部品が集まってでできていますので、勿論「摩耗・消耗」は仕方ない事なのですが、実は体と同じく「予防・早期発見」がオートバイの寿命を延ばし、快適なバイクライフを送る大切な一つでもあります。
今回は、自分でもできる簡単な点検や整備を紹介してみたいと思います。
便利で大切なオートバイ
スクーターなどでお買い物や通勤はもとより、ツーリングや旅まで、オートバイは気軽に使用できるツールでもあります。
そんな大切なツールが途中で故障してしまうと楽しさも半減してしまいます。
オートバイは個々の役割を果たすパーツの合体で摩耗や消耗は必然の事態です。
そんな事がなるべく少なるように、オートバイショップ等にこまめにお願いするのはお金もかかる・・・
と言う事で、元ロードレース全日本選手権のメカニックとショップを経営していた経験を生かし、「自分でもできる簡単な整備やチェック」を理由も含めてご紹介していきます。
外観のチェックから始まる整備のスタート
点検整備などと言うと、「工具を持ってスタート」すると思いますが、まずは外見のチェックからの方がいいと思います。
駐車されているときには、オートバイに何が起こっているかは自身は理解していません。
駐輪場などなら隣のバイクや自転車等がミラーを曲げたり緩んだり、いたずらでウインカーランプやテールランプ等が壊れてる場合もあるかもしれません。
ミラーが緩んであっちを向いていて「後方が確認できず事故」や、白バイに止められ「整備不良で切符」なんて事があると楽しいツーリングだったのが、一気に気分が落ち込んでしまいます。
そんな事を少なくするために、エンジンをかけて温めている(暖気運転)時間で車体のチェックをしてみるといいかもしれません。
点検ポイントは
・ライトやウインカー、テールランプは割れていないか?
・スイッチやブレーキを作動させちゃん機能しているか、テールランプ(ブレーキランプ) は点灯しているか。
・ブレーキを握って感覚はいつもとかわらないか。
・ミラーを触ってしっかり固定されているか、後方がちゃんと見えるか。
・タイヤは空気圧が低くなってたり、パンクでぺちゃんこになっていないか。
・オートバイの各部署を手で触ってみて、ネジが緩みパーツ等が固定されていない部品は無いか(マフラーやウインカーステー、カウル等)
などです。
乗車する毎回が一番いいのですが、通勤やお買い物で毎日使用しているならたまの休日や、ツーリングに使用するなら、その前に点検し自分で整備できると思う所なら自分で。
少しでも不安があるならショップで修理・整備をしてもらう事をお勧めします。
自分でもできる簡単な整備は
ちょっとの事でもバイクショップに依頼すると費用が掛かることもあり、面倒なことも相まって故障したまま使用しているバイクをたまに見かけます。
オートバイはパーツの集合体なので、一つが不完全だと他のパーツにも負担がかかる事態になり、結果多くの部品を交換することになり、逆に費用がかさんだと言う事態にもなりかねません。
その為に、必要最低限の整備を自分でできる方が、お財布とオートバイにはうれしいのです。
今回はスクーターを主に説明していきたいと思います。
自分でもできる簡易な整備
自分でもできる整備は主に「調整と注油」になります。
簡単ですがオートバイにとってはとても大事な作業だと思っています。
空気圧
タイヤの空気圧は自宅にある空気入れ(空気圧ゲージ付き)やガソリンスタンドで調整することが多いと思いますが、タイヤの性能としては原付のスクーターだろうが高級車だろうが「少しずつ空気は抜けている」と言うのが事実です。
原付やスクーターなどは小さなタイヤなので入っている空気容量も小さく大型バイクや乗用車などに比べると減った空気の比率は大きなものになってきます。
勿論大型バイクだからと言って安心はできません。
その為に定期的な空気圧の補充点検は必須となってきます。
期間はと言うと月1回くらいなら十分だと思います。
スクーター等の車両は、シート下に適正空気圧を表記したステッカーが貼ってありますし、大型バイクなどは同じくシート下かチェーンカバー、カウル内等に貼り付けあります。
ちょい乗りする方のおすすめは標準空気圧が1.6kgf/cm2ならよりもちょっと高めの1.8kgf/cm2くらいがいいですね。
と言うのも、タイヤの空気圧は、走行してタイヤが変形し熱を出して中の空気が膨張したときに最適になるように設定されています。
その為に「ちょっとお買い物しか使用しない」と言う人は、空気圧が高めの方がタイヤには優しく、変摩耗やタイヤサイドの割れなどの防止になり良いコンディションが長持ちすることで予期せぬ転倒やタイヤの破損も少なくなり結果お財布も助かることになります。
空気圧は重要な一つなので、バイクなどだけではなく、自転車や自家用車などにも必要なものになりますから、自宅に空気圧計(エアゲージ)を一つ持っているといいかもしれません。
ちなみにホームセンターのカー用品コーナーやネットショップなどで千円以下で売っています。
デジタル仕様の空気圧計も同じくらいの価格なので、持っていたら、自身レベルアップしたような気になり、点検整備も楽しくなるかもしれません。
タイヤチェック時は空気圧と一緒に異物が刺さっていないか、溝がなくなっていないかを見て、発見した場合パンク修理やタイヤ交換をしなければならない状態ですので、早めにショップに修理依頼をお願いした方がいいですね。
大事なブレーキの点検整備
もう一つは、ブレーキの点検調整です。
スクーターの多くは「ドラムブレーキ」という種類のブレーキです。
簡単に言うと「紐を引いて離れたブレーキシューを押し付けてホイルの回転を止める」と言う事です。
これもまた、走行に応じて摩耗してきますが一週間でなくなると言うことは無く毎日少しづつ摩耗していきます。
整備後一か月ほどしてブレーキレバーを深く握らなければ止まらないと言った経験がある方もいると思います。
それは「ブレーキシュー」が摩耗しているサインなのです。
すぐ交換と言う事ではありませんが、運転も危険なのでここで「調整」することが必要になってきます。
ホイールのブレーキ部分を見てもらうとワイヤー部分にネジが切ってあるところがあると思います。
どちらかのブレーキレバーを握ると動くことが確認できると思いますが、これがそのブレーキシステムです。
写真で見る赤く囲んだナットをどちらかに回してみるとブレーキ操作の感覚(タッチ)が変わってきますので、少しずつ(半回転ずつ回る形になっています)回してレバーを何回か操作し握った時にレバーが半分ぐらいでブレーキが作動するくらいになれば調整OKです。
この調整がどんどん進んでいった時には、ブレーキシューの交換時期が近づいている警告なので一度ショップに確認してもらった方がいいと思います。
大型車やオフロードタイプのオートバイでもこのブレーキシステムを使っている場合もありますので、調整も同じ作業になります。
ディスクブレーキは覗くと「デスクプレート」を「ディスクバット」と言うドラムブレーキで言う「ブレーキシュー」と同じ役割をするもので「ディスクパッド」で回っている「ディスクプレート」を真剣白刃取りと同じ動きで左右から押し付けて車速を落としたり停車させる役割を持っています。
この機構は「ブレーキオイル」と言う液体をマスターシリンダでレバーを使って押し出しますが、例えると「注射器で水を飛ばす」と働きと同じで「二つの注射器をホースでつないで片方を押しと反対側の注射器は水が入り押し出される」事と同じ機構が「デスクブレーキシステム」になります。
ここで大事になってくるのは「ブレーキパッド」の摩耗の確認。
摩耗でどんどん減ってくるのは勿論ですが、「ブレーキパッド」はディスクプレートを押し付ける部分はシューと言われる部分ですが鉄のプレートに圧着されてブレーキパッドは出来ています。
その為に摩耗しすぎるとブレーキパッドの鉄部分でデスクプレートに接触することになり、ディスクプレート自体が摩耗しその結果ディスクプレートも交換することになってしまいかねません。
ディスクブレーキシステムは外からでも十分確認できることと、ブレーキマスターシリンダー部にはブレーキオイルの量を確認できるように半透明や確認用の小さな窓がついていますので、「オイル減ったな~」と思った時は、パットの摩耗チェック・残量もチェックしておいた方がいいですね。
(ブレーキオイルが減ったら足すことはやめてください。先ずはバットの残量とブレーキホースの接続部分から漏れがないか確認。パットが減っていたら交換するとオイル量は戻ります。オイル漏れは大事な所なのでショップに確認してもらいましょう)
可動部に注油して快適なバイクライフを
オートバイに乗っていて操作が重く変だったり、どっからか音がするなどと言う車両は心配ですし事故の原因になったり、疲れたりと何一つ良い事はありません。
ブレーキが掛けたまま戻らなくなったり、キックペダルが下がりっきりと言った事を事前に予防するのが注油です。
操作を軽快したり、変な擦れ音などしなくなるなど、スポーツバイクにはドライブチェーンにも注油はかかせません。
ドライブチェーンはそれに適した注油剤になりますが、今回は通常の注油した方がいい場所を紹介します。
使用するのはスプレー式の潤滑剤でホームセンターのカー用品コーナーや100円ショップの自転車コーナーにあるスプレー潤滑剤で十分です。
何も潤滑剤を使わないよりも何十倍もオートバイにはいいからです。
是非ともスプレー潤滑剤でメンテナンスしてほしいところはこちらの部分です。
まずはブレーキ前後の黄色い部分
その後方には摩擦が大事なブレーキの部分があるので少なめによく狙って噴射しましょう。
レバーとワイヤー部分
ここはワイヤーと可動部分としてレバーの付け根にスプレーします。
その他にお勧めする箇所は、シート裏のロック部分、キーボックス、キックアーム可動部分です。
シートロック部分は油切れで空かなくなったお客さんが結構いるからです。
キーボックスはその機構に問題があって中には小さな金属板がキーを差し込むことで移動しロックを解除するといったかたちなので、錆びたり摩耗が進むと今まで使っていたキーでは解除できなくなったりすることがあります。
そうなる前に潤滑剤をスプレーしておくわけです。
キックアームはセル付のオートバイが多く、なかなか使用する機会がありませんが、いざ使ったときに油切れで動かなくなったり、下がったまま上がってこない状態になったりします。
そんな事態にならないようにスプレー後は何回か動きを確認するためにキックしてみるといいと思います。
通常のマシンならレーバー部分(ブレーキレバー・クラッチレバー)シフトペダル・ブレーキべダルの可動部分、サイドスタンドなどの可動部分、シートロック部分が主になります。
まとめの時間
以上が「自分でもできるオートバイのかんかんな整備」を紹介しましたが、この内容はショップに「よく修理に入る車両の故障」でもあり、お客さん自身でも簡単に予防ができるので「自身でできる点検整備」を説明しておすすめしていました。
いざ故障になるとキー交換は高価で、ブレーキワイヤー交換は結構な工賃がかかりますし、キックアームが下りたままだと大掛かりな修理になる可能性もあり、それによって壊れる部品もでてくることになったら費用は高くついてしまいます。
一番バイクにとって良い事は、自分で点検と調整し6か月点検や12か月点検をきちっと受けた方がいいと言う事です。
ちょっと大事にするだけで、オートバイはちゃんと答えてくれます。
自分のオートバイを大事にして、バイクライフをもっと楽しく過ごしましょう。
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